insight時代のBrand Plan
- Pts journeyの定量化
- Pts journeyの定性化
- Pts journey定性調査、医師インタビュー
- Pts journey定性調査、患者インタビュー
- Pts journey定量調査、その前に
- Pts journey、医師定量調査
- Pts journey、患者定量調査
- 調査結果をもとにPts journey定量化
- 定量化pts journeyとForecastモデル
- Pts journeyにinsightを!
- Current/desired peceptionを考えよう
- Insightワークショップをやってみよう!
- Segmentation、言うは易く行なうは難し
- Brand strategy:戦略って?KSF/CSFって?
- Sales Force Sizing:MRを何人に?(Digital時代を意識しながら)
- Data generation : Brand Teamでどう取り組むか?
- Data generation workshopをやってみよう
- Brand Planまとめ:Senior managementへのプレゼンをしよう!
ここまで17回にわたって製品XのLaunch Brand Planの作成について記事を書いてきました。発売(薬価収載)の2年前にBrand teamが立ち上がり、デスクリサーチ、pts journey、市場調査、current/desired perception、Positioning+Strategy決定、Data generation planと作成して、半年くらいは時間が経っていると思います(ということは、発売の1年半前!)ましたが、そろそろSenior managementやGlobal、APACにplanをPresentationをする機会が増える頃です。どんな情報、スライドを?どんな流れでプレゼンするのが良いのでしょうか?
ここまでくるとたくさんの情報、プランを作成したので大量のスライドが手元にあると思いますが、社長含むSenior managementにプレゼンするときには
- スライドを見て5秒で理解
- 1スライド1メッセージ
- タイトルスライドには伝えたいメッセージを
を可能な限り意識して作成しましょう。Senior managementの人たちはBrand teamのメンバーではないので、製品Xや競合についての情報はBrand teamのメンバーと同じ詳細までは知りませんので、常にbig pictureから入って詳細に行くのを忘れてはいけません。
典型的な(Launch) Brand Planはこのような流れが良いと思います。
Market understanding
当該市場の大きさ(抗ヒスタミン薬市場の大きさ)、診療医師数、患者数…など「日本の抗ヒスタミン薬市場はこうなっている」というのが分かるものを作成しましょう。本来ならば「薬事工業生産動態統計調査」やIQVIAのデータから作成したほうがいいですが、ちょっと手抜きさせてもらって
みたいな感じで市場の大きさ、ここでは金額ですが、抗ヒスタミン薬の市場はvolumeはあまり変わらなくて、薬価低下によって市場の規模が小さくなっている、など伝えるべきと思います。
あとは日本の特徴である「スギ・ヒノキ花粉の季節=2-4月に売上が集中」というのもGlobalの人たちには知ってもらったほうがいいのでこんな感じのものを(これはOTCのものですが)示して、日本市場の特殊性=2-4月に抗ヒスタミン薬の売上が集中することも伝えたほうがいいと思います。
その他、Market understandingで示す候補は
- Brand share %
- 自社、競合の今後の新製品発売、適応拡大
- 自社、競合のMR数
- ・・・
など、当該市場をマクロに、大枠で理解してもらったほうがいいものを提示します。
Pts journey
続いてはPts journeyです。ここはとても大事なのですが、お勧めはまずは定量のPts journey(↓)このスライドを示して、市場でのPts journeyを定量的にイメージしてもらいます。
その後「どのMomentが自社Brandにとって成功の鍵となるか?」を定量、定性、両面から示します。このくらいのスライドにまとめたら十分です。
続いてはSemgmentです。Brandの成功のためにどのSegmentに…というのを説明し、必要とあらば、特に重要なMomentのKey stakeholdersのInsight、current/desired perceptionを示すのも、聴衆にイメージしてもらうのに役立つと思います。
ここまでで、聴衆は「なるほど、この市場はこうなっていて、自社ブランドの成功のためにには、このmoment、Segmentが大事で、Segmentの認知をこういう風に変えないといけないんだな」というイメージを持ってもらうのがとても大事です。
Positioning statement、Strategy
次のStepはこのようなスライドで「Brandの成功のためにはこれが必要不可欠」という戦略を示します。今回のスライドではCSF(Critical success factor)という形でまとめています。
ここまでで戦略パートは終了で、「Brandの成功のためには…」というハイレベルな点は合意されると思います。
ここから先は、アクションになっていきますが、上記戦略に沿ったMarketing、Medicalのアクション、KPIなどを追加していくことで「なるほど、こういうアクションをするからCSFが達成されるんだな」という納得感を聴衆に与えるようにしましょう。
それ以外にも
- Budget(予算)
- Forecast
など必要な内容は各社、レビューによって違うかと思いますが、大事なのはクロスファンクショナルに合意した戦略がきっちりあって、それに沿った活動、予算が策定されており、実現可能だ、投資する価値がある、とSenior managementに理解してもらってお墨付きをもらうことです。
Senior managemetは忙しく、多くのBrandをレビューする必要があるので、スライドは1時間のレビューであれば、本編は20枚程度に収めましょう(それ以外はBackupに)。このくらいでないと、理解が追いつきませんし、これくらいの枚数で説明できないような戦略はわかり辛く成功するとは思えません。そのBrandに携わっていると、詳細まで説明したい気持ちになるのはとても理解できるのですが…。Senior managementのレビューはシンプル&ロジカルであることを忘れないようにしましょう。