insight時代のBrand Plan
- Pts journeyの定量化
- Pts journeyの定性化
- Pts journey定性調査、医師インタビュー
- Pts journey定性調査、患者インタビュー
- Pts journey定量調査、その前に
- Pts journey、医師定量調査
- Pts journey、患者定量調査
- 調査結果をもとにPts journey定量化
- 定量化pts journeyとForecastモデル
- Pts journeyにinsightを!
- Current/desired peceptionを考えよう
- Insightワークショップをやってみよう!
- Segmentation、言うは易く行なうは難し
- Brand strategy:戦略って?KSF/CSFって?
- Sales Force Sizing:MRを何人に?(Digital時代を意識しながら)
- Data generation : Brand Teamでどう取り組むか?
- Data generation workshopをやってみよう
- Brand Planまとめ:Senior managementへのプレゼンをしよう!
前回の記事でpts journey 優先度が高いmomentの「current perception =患者、医師の本音≒insight」と「Desired perception=こう思ってくれたら顧客が望む行動をしてくれる」とそのためのmessage、actionを考えました。この一連はBrand team全員参加でワークショップをすることにより、Brand teamメンバーの市場、顧客の理解が進み、戦略、アクションの立案にとても有効です。このワークショップをinsight workshopと呼んでいます。
「insight workshopしましょう!」と声をあげればワークショップができるわけではなく、準備不足でワークショップをしてしまうとbrain storm と言う名の「思いつき垂れ流しワークショップ」になってしまうことがあります。それでは時間がもったいないので、しっかりと準備をし、ワークショップの目的を確認し、ファシリテーションをする必要があります。
Insight workshopの流れはこんな感じで実施しています
(1)ワークショップの目的の説明
Insight workshopに慣れてない人もBrand teamにはいると思うので、ワークショップの目的をしっかり説明しましょう。「定量だけではなく定性的に各momentにおける顧客の本音を知った上で戦略、アクションを計画しなければならない、なぜなら…」みたいな説明でが、事前に私のこの記事「製薬Promotion、Marketingの3つの時代」「SoV至上主義の限界」を参加者に読んでもらってもいいと思います。ワークショップの目的が曖昧なままにワークショップをすると失敗の原因になります。この説明はBrand teamのリーダーがするのが良いでしょう。
(2) 市場、pts journeyのおさらい
製品Xが参入する場(患者数、医師数、治療診療科、競合状況等々)とpts journeyの復習をします。Brand Teamのメンバーの中でも市場や製薬Xの知識に差はありますのでその復習、確認はしたほうが良いです。ここはBrand manager、市場調査担当者がすることが多いです。
ワークショップの前に定性/定量調査が終わっていると思いますので、調査結果も参加者に調査担当者がプレゼンしましょう。プレゼンではKeyとなり情報を手短に、各momentの顧客の1-7同意の結果サマリー等々、「何人の患者がある」と言うような定量情報だけじゃなくて、「このmoment の医師のこの文章への同意度は…」みたいな1-7同意度の説明を多く加えるとinsight出しに繋がりやすいです。市場調査の結果の資料のフルのものは次のgroup workで参照用の資料で使います。
(3) 各momentのinsight(group work)
市場、pts journeyのおさらいで参加者の理解はだいぶ進んで、「Brand choiceの時の医師の気持ち、考えは?」などが頭に湧いてくる、イメージが浮かぶ準備はできました。ここからが本番のGroup workです。Pts journeyのすべてのmoment、すべてのkey stakeholderについてワークするのは時間的に厳しいので、「どのmomentのどの顧客についてinsightを出すか?」は事前に決めておいたほうがいいと思います。ワークする前にアウトプットのイメージを示しておくと参加者の理解も深まります。(ワークショップでは扱わないmoment、顧客で作ると分かりやすいです)
参加者がアウトプットのイメージができたら、post-itなどで本音、insight の元を参加者にどんどん出してもらいます。この時、参考資料として市場調査の結果を印刷して各グループに置いておき参照できるようにし、市場調査担当者は参加者からの質問にいつでも答えられるように会場をウロウロしながらどんどん質問を受けます。insight workshopに慣れたファシリテーターも同様に各グループを回りながら脱線してたり議論に詰まってたら解消の手伝いをします。
多くのMoment(Treatment choice、Brand choice…)多くのkey stakeholder (医師、患者、看護師…)などがある場合は、「Brand choice、医師」をgroup B、「Seek treatment、患者」をGroup B、のようにグループ毎に違うKey stakeholderのinsightを考えてもらうことも多いです。
グループごとに考えたInsightをこのようなテンプレートを事前に準備しておいて、記入してもらいます。
(3) Desired perception (group work)
insight=currrent perceptionが完成したら、次はdesired perceptionです。前回の記事に書いた通り、desired perceptionを考え時はついつい拡散してしますのですが、ファシリテーターやBrand teamのリーダーが、例えばBrand choiceであれば「抗ヒスタミン薬の中で製品Xを処方するには?」という行動を医師がするための必要条件である医師の考え方、気持ち=Desired perceptionを考えよう、と常にリマインドしてください。
(4) Current/Desiredのギャップを埋めるアクション (group work)
せっかくcurrent/desired perceptionができたので、そのギャップを埋めるアクション、要素、messagesをグループで考えましょう。ここまでくると、参加者からたくさんの「insightを理解した上での」アイディアが出てくると思いますが、注意しないと「講演会」「説明会」みたいな手段の羅列になってしまうことがあります。「Desired perceptionを実現するための手段」でもちろん大事なのですが、その手段を使って、どのようなメッセージを医師に伝えるか?がとても大事なところなので都度リマインドしながらワークショップを進めましょう。
ここでinsightに基づいた、「何を伝えてどうやって医師のperceptionをどのように変えるか?」を考えるとBrand teamメンバーのinsight=顧客の深いニーズ、考え方への意識が変わります。特にSoV至上主義に慣れていると「コールしろ!講演会しろ!」と数を言われ続け、アクションと言えば「訪問、イベントを多く実施すること」と刷り込まれている人が割にいますので、その人たちをinsight 時代の考え方に慣れていってもらうのにもこのワークショップは有効です。
ここまででほぼ1日が終わってしまうと思います。ワークショップの結果はしっかりとまとめておきましょう。ここで得られたBrand teamメンバーのinputはとても大事な情報になりますし、これからのBrand plan、action planの立案にとても役立ちます。
pts journey、insight, current/desired workshopまでを時間をかけてやってきました。Brand planの作成プロセスといいつつ、だいぶ拡散した感じになってきましたので、次回はここまでのワークを戦略にしていき、市場分析、Segmentation、Targetingをしていき、皆さんのイメージするBrand Planにしてくプロセスが始まりますのでお楽しみに!
*Pts journey作成 → 定性/定量調査の実施→ insight workshopの準備 → ワークショップまで一連をProjectとして、またワークショップだけの依頼も承っております。新製品の発売だけではなく、既存Brandの戦略の見直しにも活用いただけ、Brand Teamの皆さんと一緒に考えていくので、考え方や戦略の定着率も高いので、お気軽にご相談、ご依頼ください。
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