2023年4月3日月曜日

(2) Insight時代のBrand plan:Pts journeyの定性化

insight時代のBrand Plan

  1. Pts journeyの定量化
  2. Pts journeyの定性化
  3. Pts journey定性調査、医師インタビュー 
  4. Pts journey定性調査、患者インタビュー 
  5. Pts journey定量調査、その前に 
  6. Pts journey、医師定量調査 
  7. Pts journey、患者定量調査 
  8. 調査結果をもとにPts journey定量化
  9. 定量化pts journeyとForecastモデル
  10. Pts journeyにinsightを!
  11. Current/desired peceptionを考えよう
  12. Insightワークショップをやってみよう!
  13. Segmentation、言うは易く行なうは難し
  14. Brand strategy:戦略って?KSF/CSFって?
  15. Sales Force Sizing:MRを何人に?(Digital時代を意識しながら)
  16. Data generation :  Brand Teamでどう取り組むか?
  17. Data generation workshopをやってみよう
  18. Brand Planまとめ:Senior managementへのプレゼンをしよう!

Pts journey を(ざっくりと)定量化しました。SoV至上主義時代も実はPts journey の定量化はやっていて「leakage analysis 」と言って、どこで患者を失ってるか→どこ(Brand choiceとか)に注力すべきか?という分析は行われていました。今回のテーマはpts journeyを定性的に考える、でして、insight時代のマーケティングに必須な各momentでの顧客(患者、医療関係者)の気持ち、本音を彼ら彼女らになりきって、自分に憑依させて(ガラスの仮面の北島マヤのように)考える力が必要です。

既発売のBrandだとその領域の知識がBrand Teamにあるので、Pts journeyのUpdateも簡単ですし、花粉症のように身近な疾患だと新製品でも想像力を働かせて、Brand teamで集まってワークショップしたらけっこう多くの情報が集まってInsightに近づけます。希少疾患や癌など、身近でなく感情移入、憑依が難しい場合は、私は患者ブログ、SNS(特にtwitter)で情報を収集します。(患者ブログ、twitterの患者情報まとめEXCEL作ったりもします)そうすると、患者やその家族の気持ちが正直に書かれているものが多くあり、「もし自分がその病気だったら?」って感情移入、憑依することがけっこうできたりします。

花粉症のPts journeyに戻ります。

これが前回作成したWeb検索した情報をもとに作成したざっくりとしたpts journeyです。こうやってみると、まだまだ粗いですけど、この段階ではこんなもんでOKです。各momentにおいて顧客、スギ花粉症の場合は患者と医師が何を考えて、行動して、望む行動をするドライバーとバリアを考えて行くのがいいと思います。まずは「症状自覚→通院」についてまず、考えてみましょう。

症状自覚→通院

ここでの考えるべきポイントは「花粉症の症状を自覚したら、なんで病院に行くの?行かないの?」を想像して考えることです。

花粉症の症状で病院に行く理由

  • 症状で日常生活、仕事に支障がでる、
  • 病院に行く手間、時間、お金をかけてでも症状をなんとかしたい
  • 新しい処方薬は眠くならないのを知って安心して処方薬を貰えるようになった
  • OTCと比較検討したら30日分以上処方してもらえたら処方薬のほうが安い
  • それでも病院に行くのは面倒くさい
花粉症の症状で病院に「行かない」理由

  • 処方薬がいいのはわかるけど、病院にいくのが面倒
  • OTC出てきたしそれで充分、少し高いけど、病院に通うよりマシ
  • 毎年花粉症の症状つらいけど、なんやかやで我慢してたら1カ月経って花粉症の季節が終わって、花粉症の症状が改善されている
  • 処方薬って副作用とか強そうでなんだか怖い、サプリとかで済ませたい
  • そもそも何科を受診したらいいのかわからない。耳鼻科??
花粉症だとスラスラとでてきませんか?こういう本音(≒insight)を書きだしていくときには「口語」で書くのがお勧めです。ここで例えば「通院負担」って書くと本音、気持ちも部分が一気になくなってしまいます。それが「忙しくてついつい病院にいくのを忘れて先延ばしにしてしまう」って書けば、背後にある気持ちも内包できます。本音殺しはInsight時代のMarketingにおいては大罪です。

続いては、医師のBrand Choiceについて考えてみましょう

医師のBrand Choice

まずは現在の抗ヒスタミン剤、どのBrandを使うのか?についての医師の考え、気持ちを想像してみましょう。「いやいや、あとで定性調査のインタビューするんだから、事前に考えなくてもいいでしょ?」意見もあるとは思いますが、私は定性調査でインタビュアーにProbeポイントや、聞きたいポイントをしっかりとインプットするためにも、定性調査前にBrand teamで考えることをお勧めしています。もちろん、医師ブログ、Twitterなんかも情報源になります。

抗ヒスタミン薬の選択理由

  • 効果が強いのは副作用も強いし、3つくらい頭において、患者さんの症状に応じてその3つから処方してる、種類が多すぎて分からないし、大差はないので
  • 患者さんがリクエストしたらそれを出してます。そもそも抗ヒスタミン剤にはあまり興味ないです
  • 正直、あまり違いがないのでMRさんとか会社の貢献が頭をかすめます
  • 抗ヒスタミン薬、点鼻薬、点眼薬、なんとなく頭の中でセットになって出してますね
  • 同じ薬だして患者さんに怒られたことないし、いつも同じ抗ヒスタミン薬です
  • 抗ヒスタミン薬の一覧を作成して患者さんに選んでもらってます。どれも大差ないし、患者さんに選んでもらったほうが問題起こりにくいですし
みたいな感じで、1000万人単位の患者がいろんな診療科(主に開業医)にくるので、花粉症といえば抗ヒスタミン薬、そんなに差がないし、そもそも興味がない、みたいな感じという仮説ができたとします。

既存品、競合がガチンコでシェア争いをしているような場合は、
  • 自社製品/競合製品についてどういうイメージをもっているか?
  • 自社製品/他社製品をどうやって使い分けているか?
を考えてみるのもお勧めです。

そして花粉症の新製品Xに戻ると、1回服薬するとザイザル並みの有効性・安全性で1カ月効果が持続く薬でした。ここで、「製品Xが発売されたら医師はどう思うか?」を想像してみるのもいいと思います。

製品Xの製品特性を見てどう思ったか?

  • 効果が1カ月持続するのは凄い、けど副作用がでたらそれも1カ月続いて途中でやめられない、そこが心配
  • 1カ月効果が続くなら飲み忘れなくていいね、その場で飲んでもらってもいいし
  • 1カ月効果続くような薬って、事前に1日1回の錠剤を一定期間試して、安全性を確認してから長期効果のある薬剤を服薬する場合あるけど、その縛りはないの?
  • 薬価高そう…
  • 2カ月効果持続したら、花粉症の季節に1回飲むだけでいいのに…2カ月だと2回飲まないといけないから患者さん、忘れそう
  • 1日薬価が既存薬とそんなに変わらないなら処方してみたい。花粉症の薬の値段に患者さんは敏感だから。
とか、色々なことが考えらると思います。

Pts journeyの各momentで医師、患者、時には患者家族、看護師、薬剤師がどう考えているか?製品Xが出たらどう思うか?を事前に考えておいて、まとめておくと、この後に控えているPts journeyの定性調査→定量調査で聞きたいこと、明確にしたいことがだいぶBrand Teamメンバーの中でも整理整頓されていくと思います。私はPts journeyごとにわかっていること、仮設、クリアにしたいことをLogic Treeみたいな形にして調査設計に役立てていました。

次のStepはいよいよPts journeyの市場調査(定性→定量)です。




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